●質問
健全メンズエステで本番行為をしたらどうなりますか？　いや、本番行為をするつもりはまったくないのですが、もしそうなった場合、どこまで私の身にヤバイことが降りかかるのか心配というか興味があって、ちょっと聞いてみただけです。

●回答
たしかに、「そういう行為」を実際にしてしまったら、どのようなヤバイことが身に降りかかるのか心配ですよね。そういった情報はまれに、ネットに出ていますが、実際に経験しないと本当のところは分からないので不安ですよね？
というわけで、私が実際に経験したわけではありませんが、私の知人のお店がいわゆる風営法違反でパクられましたので、具体的にお届けしたいと思います。

ワークマンのかっこうがお好きなようです
結論を述べる前に、じらすわけではありませんが、どのようにしてパクられるのか、からお話しましょう。刑事さんはまったくもって普通のおじさんみたいな私服で、ある日突然お店に現れます。もちろん刑事さんだなんて誰もわかりません。黒っぽいウィンドブレーカーにワークマンで売っているような靴とズボンを履いてリュックを背負ってやって来ます。お店の受付ではせいぜい運転免許証などの身分証の提示ぐらいしかしないので、彼が刑事さんであることは誰も分かりません。もちろん身分証など提示しなくてよいお店もありますから、そういったお店の人も、彼が刑事さんだとはまったく分かりません。

何回かそういった人が来て、セラピストさんにそれとなく話を聞いたりします。もちろん、これだってただの雑談としか思えないように、刑事さんはうまく話を引き出すのです。
あるいは、お店のそばに同様の格好をした人たちが何人か立っており、お店から出てきた男性客に「そういった行為をしたか？」とか、「1万円くれたらそういった行為してもいいよと女の子に言われたか？　その子の名前は？　その子のルックスの特徴は？」などと聞き込みが始まります。ルックスがわからないと逮捕当日、べつの女の子をパクってしまうことになるので、刑事さんも真剣です。ちなみに、そういった行為をしたと正直に申告したところで、申告者はパクられません。

嵐の前の静けさから「ごらぁ！動くな！」まで
そしてある日、ワークマンがぱったりとお店に来なくなります。さあ、ここからがヤバイです。なぜ来なくなったのか？　検察に令状（店内の捜査や逮捕の許可を得る紙）を請求しているからです。警察は検察庁の右腕ですから、検察庁の許可がないと何もできないのです。

さあ、検察から令状が下りました。即座にみなさんのことをパクリに行きます！

パクっている当日の現場の映像は昔なつかしい「警視庁24時」などで放映されていましたから、細かく書かなくてもいいでしょう。「店長いる？」と優しく声をかけつつ、10人弱くらいの刑事さんたちがズカズカとお店の中に入ってきます。「はい、動かないでね。女の子はお洋服着てね」と優しく声をかける女性の刑事さんもいれば、なにやら逃げ出そうとしている人を見つけては「ごらぁ！　動くな！」と恫喝する刑事さんもいる。そういったことが「警視庁24時」から見てとれます。

あなたはどうなる？
さあ、あなたが気になっているのは、この後ですよね？　セラピストさんもパクられて留置所に入れられちゃうのでしょうか？　留置所に送られたらスマホを取り上げられますから、誰とも連絡が取れません。あなたのお母さんは心配するし、あなたの彼氏も心配するし、大学にも行けないし。大学に行けないからといって、誰かが大学の教務課に事情を説明してくれるわけではありませんから、あなたは無断欠席になります。さあ、困った！　どうしましょう。（警察が容疑者のスマホを解析することで証拠を得たい場合、スマホを没収されて別の解析機関に送られる。だから電話番号を覚えていないと誰にも連絡できなくなる。しかしその必要がない場合、必要最低限の人に刑事さんから連絡はいく？　このへんはあやふやです）

しかし、ご安心ください。基本的には、セラピストさんたちはその場で刑事さんから話を聞かれて、それで終わりです。無罪放免です。もちろん、「1万円でそういう行為をしようよ」としつこくお客さんに言い寄った実績のあるセラピストさんは刑事さんにマークされていますから、最寄りの警察署に連行されます。
また、その場に店長さんがいたら必ずパクられます。彼・彼女は、基本的には、留置所に期限いっぱい（2週間と2日でしたっけ？）留め置かれます。その後はたいてい、罰金を支払って釈放されるという具合です。

検察は気前がいい
ではオーナーさんはどうなのか？　その場にオーナーさんがいなければ、オーナーさんは別の日に逮捕されます。当然、刑事さんが皆さんのことをパクったのちも、オーナーさんはどこかで普通に暮らしています。しかし、店がパクられた情報くらいは耳に入っているので、身の上に不安に覚えています。しかし、逃げてもムダです。すでにその頃は、刑事さんはオーナーさんの動向を「24時間ずっと」見張っているからです。やがてオーナーもパクられて、オーナーの言っていることと、店長の言っていることが一致すれば釈放されるという具合です。容疑者はまだ犯罪者ではないので、彼・彼女を留め置く期間は法律で決まっていますから、法律で定められた期間内に、オーナーさんの言っていること、店長さんの言っていること、あるいは悪質なセラピストさんの言っていることのすべてが一致しなくてはならないので、刑事さんはそれなりに大変です。しかし、3人がずっとバラバラのことを言った場合、留め置かれる期間がどんどん延長されます。検察庁は気前よく延長の許可を出すのです。

というわけで、皆さん、普通にやっていればまったく心配することはありませんので、健全エステで健全に働いて、ガンガンお金を稼ぎましょう。そもそも健全エステがパクられたなんて、聞いたことないでしょ？